My Recommendations


“The Rulership Book” AFA Rex E. Bills
辞書形式で天体やサインが支配する単語が羅列されているだけなので、英語がダメな人でも問題なく使用できる。例えば、犬を支配するものを知りたければ“dog” で引くと 水星、乙女座、6ハウス、(木星)と書いてある。あるいは逆に水星で引くと、水星が支配する事柄がアルファベット順に、”absentmindedness accounts, accountants accuracy….”という具合に羅列されている。すべての支配関係を鵜呑みにすることは出来ないと著者自身が注意を促しているが、大変参考になる試みである。とくにホラリー占星術を使いたい占星術家にはお勧め。


"The Book of World Horoscopes" Nicholas Campion"

マンデーン占星術(戦争や外交、政治などの世相を占う占星術)の資料に。建国の時期と簡単に言っても、たとえば日本なら戦前戦後、ロシアなら、ロシア帝国から旧ソビエト連邦、現ロシア連邦への切り替わりなど、どの瞬間をとって、現状を占うかとなると判断に困ることが多いでしょう。こちらの本ではいくつかのリストと共に、何を占うときにどのチャートが適任であるかなどの検証が成されていて大変便利。日本に関しては3枚の建国図が提案されています。かなり大判の本なので、手軽に持ち運べるかんじではないし、本棚に収める場所はめんどくさいです。



"From Here to There:An Astrologer's Guide to Astromapping" Martin Davis

アストロカートグラフィーの解説本は無いかという質問をよくされるので。この方が第一人者だそうです。(考案者であり創始者のジム・ルイス氏は亡くなってます。)アストロカートグラフィーのロジックと読み方自体は、パワフルかつ有効な手法の御多分にもれず、さほど複雑なものでもないため、取り立てて勉強する必要はないかと思いますが、この本に乗っている事例は考案者のロジックが正しいことを裏付けるものとして興味深いと思います。



"Planets in Transit" Robert Hand
トランシットの惑星が、どのようにネイタルチャートに影響するかを、辞書形式で丁寧に解説された本。例えば、ネイタルの月にトランシットの土星が90度を形成したとき、で引くと、「このときあなたは・・・」といった解説を読むことができる。現代文で読みやすい英語だし、個々の解説事態がそんなに長文ではないため、気になる配置だけ拾い読みしながら、楽しく洋書に馴染めます。英語が苦手、難解な本は買っても読まない、といった人でもすぐに使える、大変入りやすい本。



"Brady's Book of Fixed Stars" Bernadette Brady
恒星の本。これを手にした当初は、ロイヤルスターを始めとした、古典解釈で必要になる恒星の個々の意味や扱いが読めればいいと思って注文したのだが、読んでみてその意味の解らなさに思わず本を投げ出してしまった記憶が。後に松村潔先生が、恒星のパランを扱った著書を出版され、さらに、ユフネさんが電子出版で、パランの計算方法から解釈までの解説書を出されたことで、やっと本棚から出されることになった本。
ちなみに、著者のBrady氏のHPにアクセスすると、自分の出生年月日から恒星の位置をすべて教えてくれて、更に解読までしてくれるメール鑑定のサービスが受けられます。私は注文しましたが、日本からでもPDFファイルで鑑定内容を受け取ることができ、大変楽しいです。



"Sports Astrology" John Fawley
スポーツの勝敗に代表されるような、勝ち負けのオッズを占うテクニックがまとめられた本。著者は、この本で紹介したテクニックだけを読んで理解した気にならず、60枚以上のチャート解読の実例を、「答えを読む前に自分で読み解いて結論を出してから勉強してくれ」、と言っています。「そしてわしの経験と感が導き出した以上のオッズを出してくれることを期待している。」と。
その言葉を受けて、読み始めようとしたものの、ジェフユナイテッドってなに?ヤンキーズ?にゅーよーくの??な上に、部活すらやったこともなく、スポーツや勝負の世界に縁のない人生を歩んできた自分には、どうしても興味の持てない分野であることに気が付き、この本はほとんど(実は1行も)読まずに放置されていました。とはいえ、ホラリークラスではよく、スポーツやオリンピック、競馬の勝敗やオッズを占うテクニックの質問を受けますし、今回ご紹介するにあたって、ロジックの部分だけ拾い読みしましたら、さすがフラウリー先生。ものすごくキャッチ―な導入が多いので、するすると引き込まれてゆきます。
例えば、私も長年主張していたことですが、「エッセンシャルよりも、アクシデンタルディグニティーのほうが断然重要!!」という小見出し。これほんまなー!



"The Timing of Events: Electional Astrology" Bruce Scofield
イレクショナル占星術(よい日程を能動的に選ぶ占星術)の本。イレクショナル占星術の技術には大きくわけて、3種類。1、三重円をじっくり読み解いて、主体になる人物にとって、よいエネルギーの日を選ぶ。2、マンディーン法。日食、月食、四季図をつかって世相を読みながら選ぶ。3、ホラリー法。イベントのある日の空模様単独で、アングルに来る惑星を調整したりルーラー同士の関係を調整。
この作者は1個めを最重要視しつつ、古典的なルールもふまえ、最終的に3つの方法すべてがある程度満たされる結果を導く方法を忍耐強く検証しているところに、い好感がもてます。私は、3をメインに最終的に1も少し考慮するやり方をとっていますので、作者と近いスタンスだと思います。いずれにせよ、イレクショナル法は、非情な集中力と検証力、先見の明を必要とする大変難しい技法なので、このような本は大変参考になるかと思います。



"Temperament Astrology's Forgotten Key" Dorian Gieseler Greenbaum



"Horary Astrology Rediscoverd" Olivia Barclay,Q.H.P
ホラリー占星術を勉強するうえでの必読書のうちのひとつ。イギリス英語特有の嫌味な言い回しが散見されるがために、必要以上に難解になってはいるが、長年ホラリーテクニックの復興と教育に携わっていた人だけあって、実戦的な解説も多い。クラスできっとこういう持ちネタを披露していたんだろうなぁとおもえる箇所も多く、私には大変参考になりました。あるサインに入宮してから出てゆくまでの月の動きを通して質問の心理的推移を読むテクニックの解説は特に丁寧でわかりやすく、こちらはこのテクニックをマネさせていただいています。
この本は、SG天文暦を刊行されているAlmanacの栗丸さんと一緒に、カナダ人の家庭教師に来ていただいて、半年ほどかけて徹底的に読み込んだ本なので、思い入れが大きいです。



"Martial Art of Horary Astrology" Dr.J.Lee Lehman,ph.d

上でご紹介しましたOlivia Barclay女史の、元生徒さんがまとめた本。バークレイさんは、レーマンがバークレイが教えたことを丸パクリしていると抗議していたらしいですが、正直こっちの本のほうがずっと読みやすいし、丁寧なリサーチで突っ込んだ内容が解りやすくまとめてあります。もちろんバークレイの功績と教示が無ければ、この本は生まれなかったかもしれないのが先駆者のツライところですね。レーマンは出展を細かく明記するし、魅力的なテーブルにまとめるのがうまい人なのだと思います。サインと惑星の掛け合わせ84種類の対応身体部位がまとめてある表はよく参考にしています。あ、表紙の道着ですが、この人は柔道が趣味で有段者だそうです。ちなみにレーマンという名前ですがおばちゃんです。



"The Horary Textbook" John Frawley



"Horary Astrology Plain&Simple" Anthony Louis
この本が無ければ、ホラリーを勉強することはなかったのではないかと思えるほど思い入れの強い本。この本を始め、ホラリーの多くの知識を教えてくれたのは石塚隆一さんです。もしも最初に出会った本が、オリビアバークレイのものであったり、クリスチャンアストロロジーだったら、私はホラリーやってませんでした。
ハウス回しの説明の箇所で、スターウォーズのパロディー映画「スペースボール」での、ダークヘルメット(ダースベイダー)とローンスター(ルークスカイウォーカー)の会話でハウスを回してみているのがおもしろいです。
"Who are you?" said Lonestar.
Dark Helmet says to him,"I am your father's brother's nephew's cousin's former roommate."
"What does that make us?" asks Lonestar.
ここで、ハウスをまわします。
1室質問者(Lonestar)→父4室→父の兄弟は父からみた3番目のハウス、つまり6室→・・・・最終的に12室が、Dark Helmet を示す部屋になってました。うまい!!



"Horary Astrology The Art of Astrologicacl Divination" Derek Appleby
鏡リュウジさんに勧められて読んだ本。ハウスを制する者はホラリーを制するし、ホラリー占星術で最も難しいことは、適切なハウスを選ぶことだと思うのですが、この本では、どのような質問をどのハウスが扱うかをとても解りやすく分類してくれています。また、複雑かつ多様に影響しあうハウスの構造上、一つのハウスが全てに応えるのではなく、いくつかの検証すべきハウスを、役割を明確にしたうえでリストアップするという画期的な章分けがされているので、勉強になります。質問をしても、どのハウスがその質問に答えてくれるかわからない人は特にこの本を読むとスッキリすると思われます。
第一章に書かれた、"The astrologer must employ all his skill, all his intuition and imagination, in breaking the code of the heavens and making a judgement."という言葉も好きです。私自信チャートに挑むときによくそのように感じているからです。



"A Practical Guide to Traditional Astrology" Joseph Crane
StarGather天文暦を刊行されているアルマナックの栗丸さんに教えてもらって、読んだ本。栗丸さんは、堂阪さんに教えていただいたそうです。このように、人から人へと自然に伝えられたり回し読みされるような良書。
とにかく私にとっては衝撃的な内容。なんとなく理解していたことや、疑問にも思わなかったことを次々にクリアにしてくれた開眼の一冊。まずはエッセンシャルディグニティー表を円で表したものをひとめ見た瞬間の感動。次に、ハウスに関する開眼の数々。特に3ハウスに関する説明を、月が喜ぶ部屋としてつじつまが合うように解説されたものを読んだのは、この本が初めてでした。以来、私はずっと3室が女神と異教徒の部屋として定着しています。更に、この本が無ければけして立体的に理解できなかったのが、オリエンタルとオキシデンタルの説明。東天西天におけるモーニングスターとイブニングスターの概念。また、エッセンシャルディグニティー表で、ドロテーウスのものには、トリプリシティーに「控え」があるのだが、この控えを具体的にどのように扱っていたのかの例が載っていたのも大変興味深かったです。この本のよい点を挙げてゆけばきりがないほどすばらしい内容なのに、すっきりと簡素な文章で、私はこの人のようになりたいと思った本です。



「占星術または天の聖なる学」 白水社 マルクス・マニリウス著

白水社のヘルメス叢書シリーズの一冊。このシリーズは、どれも読みやすいとはいえないが、ぜったいに知りたいテーマを網羅してくれている。なかでもローマのマニリウスによる本著は古代人の世界観や天文学を知る上で、はずせない一冊といえるだろう。本著中ほどで紹介されている、円の12分割である30度をさらに12のパーツに分割するドデカテモリー(2度半角)に関する説明箇所には、占星術を支える原理のエッセンスが記されており、ここを読むだけでも本著の価値は十分といえるだろう。原点にかえって占星術を熟考してみたい人には、とくにお勧め。



"Simplified Horary Astrology" Ivy M. Goldstein-Jacobson
数あるホラリー占星術本の中でも異彩を放つヤコブセンの本。古典的技法を忠実に検証する本が多い中、ヤコブセンのこれは、かなり実践的であり、著者のオリジナルとも思われる考えが散見される。Derek Applebyは、この本を「初学生にとってもっとも価値のある実践本」と絶賛している。巻末に、イレクショナル占星術の技法について、かなり突っ込んだ記事があり、これを読むだけでもこの本の価値はあると思われる。ただし、このイレクショナル技法も、かなりオリジナルなもので、主にネイタルチャートのアセンダントやMCに合わせて時間を調整する方法を解いている。私はかならずしも彼女の技法に賛成ではないが、大変興味深い内容です。
残念ながらこの本は現在、日本のアマゾンから購入できないようなので、リンクは無しです。読んでみたい方はアメリカのアマゾンで買ってください。かわりに、ヤコブセンによるリリスに関する本"The Dark Moon Lilith in Astrology"のリンクを張っておきます。

共著など、私が一部書かせていただいている本たち


「しあわせ占星術」 まついなつきと原宿占星術虎の穴著 情報センター出版局
1998年ごろに朝日カルチャーセンターで、松村潔先生から占星術を学んだ同期の学生たちで、まついなつきさんを中心に手分けして書いた占星術の入門書。まついさんの惑星マンガおもしろいで。占星術がおもしろくて仕方がなかったときのドキドキ感あふれる内容になっていると思われます。私は太陽と月の組み合わせを144パターン書いたのですが、このころからずっと、太陽と月の組み合わせによる144パターンの性質に興味が強いです。自分の著書「基本の「き」占星術入門」でも書いたのですが、いまだに洞察がリニューアルし続けているので、そろそろまた書きたいです。



「未来辞典」松村潔著 角川書店
プログレスの太陽で年運を読むときに、大変参考になる本。プログレスの太陽は、1年でほぼ1度づつ進行してゆくので、サインの30度すべてに詩文が与えられているサビアンシンボルを使って進化のプロセスを読むことができます。この本では、「三年後の未来が解る」というサブタイトルが書かれていますが、占星術を勉強している人なら、10年後も20年後もこのロジックで読むことができます。占星術にあまり詳しくない人も、サビアンシンボルが教えてくれる、その年のテーマが驚くほど正確に現状を示していることに気付くことができると思います。



「完全マスター西洋占星術」松村潔著 説話社
言うまでもなく、占星術を勉強するうえでとても役に立つ本。少し高価だが、非常に丁寧なつくりで、巻末に占星術用語と搭載頁がまとめてあるので、辞書のようにいつでも読み返せる。私は、惑星の品位などの古典コラム部分を書かせていただいています。



「みんなでアカシックリーディング」松村潔著 説話社
タロット占い師、占星術師、アカシックリーダー、シンボリックリーディング、リモートビューアーなどが、それぞれの媒体を使って2010年から2015年とそれ以降の世界を予見する試みが成された本。私は占星術師として参加しています。
「予言とは何か?」という根源的な疑問に真っ向から切り込む解説や、アカシックレコードのシクミの説明まで、我々の住む世界がどのような構造で時間軸を旅しているのかに興味がある人はぜひ。なにより松村潔氏が、リーモートビューイングをどのようにとらえ、どのように関わってきたか、の部分が解りやすい文体で赤裸々に、出会いから訓練法、現在の見解まで書かれている貴重な本です。占星術をやるうえでも、「予言」というテーマをどうとらえるかという問いから解放されることは無いので、本書のように様々な占者が自分の媒体をつかって未来に切り込む試みはおもしろいと思います。
ちなみに、現在のところ占星術を使った私の予言で、現実と一致したものは、p.133「2011年、春から夏にかけての大きな地震」の部分。おもえば2010年から2015年にかけて、我々が経験した大きなシフトは、それ以前の世界観とそれ以後とで大きく違うものになりました。この時期を切り取って、このような本が出版されたこと自体、偶然ではないような不思議のかたまりです。



「タロットリーディング実践編」松村潔著 説話社
「魂をもっと自由にするタロットリーディング」の実践編。水色の先行本は、我が家で最も出動頻度の高い本で、本棚に収まっていることはめずらしく、娘ととりあいながら、ボロボロになるまで使われています。タロットを展開をして、リーディングしたあとに、慰めてもらえるような構造を、この本は持っている。「魂を自由にする・・」というタイトルは伊達ではないです。目先の事象や現象に一喜一憂しなくてもよいような、深淵な解説がすべてのカードに与えられているので、否定的な内容が出ても、怖くなくなるというすばらしい内容。
こちらでご紹介の緑の表紙の続編(実践編)では、私はホラリースプレットというシンプルで使いやすいスプレットをご紹介させていただいています。




>>>home